投稿日:2022-09-17  更新日:2023-06-21

日産の電気自動車(EV)!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説

こんにちは、EVライフです!

多くの方々の生活に欠かせないモビリティである自動車。今、次世代の車の本命として電気自動車が世界のあちこちで注目されています。電気自動車への期待が高まる中、日本でも各社車メーカーが電気自動車の開発や販売に力を入れています。

電気自動車は走行時に排気ガスを出さず、再生エネルギーとの組み合わせによって化石燃料への依存を減らすことができるため、持続的な社会の実現に向けて大きな鍵になるとされています。

そこで本記事では、電気自動車のパイオニアともいえる日本の車メーカー日産に着目し、「日産の電気自動車(EV)!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説」と題して、日産の電気自動車に関する動向を紹介していきたいと思います。

電気自動車の利用を検討している方の参考になれたら幸いです!

日産の電気自動車(EV)を見ていく前のおさらい


そもそも電気自動車(EV)とは?

はじめに、電気自動車について紹介します。電気自動車とは、車の中にある電池に電気を使って充電し、その電気を使ってモーターを回して走る車のことです。風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー(または自然エネルギー)から充電すると、究極のエコカーになるために、とても注目されています。

電気自動車(EV)のメカニズム

電気自動車のメカニズムは、電気を使って走ることです。
とても簡単な例に「ミニ四駆」があります。ミニ四駆は電池を使ってモーターを回し、走ることのできる車で、小学生でも作ることのできるとても簡単な仕組みで出来ています。
実際の電気自動車の場合は、さまざまな制御があるためにもっと複雑なシステムになっていますが、本質的な部分だけを抜き出すと「電気を使ってモーターを回して走っている」という点になります。

関連記事:電気自動車(EV)とは?小学生でも分かる簡単な見分け方を紹介

日産の電気自動車(EV)の歴史


日産の電気自動車に関して、まずは日産における電気自動車の歴史を簡単に見ていきましょう。以下に重要なトピックに関する年表をまとめてみました。

✔︎日産の電気自動車(EV)の歴史

1947年日本初の電気自動車「たま電気自動車」を販売

第二次世界大戦が終わったばかりの日本は、石油不足の一方で、水力発電による電力供給には比較的余力があった。そのため政府は電気自動車の生産を奨励し、戦前まで飛行機を生産・開発していた立川飛行機の有志が東京電気自動車(のちのプリンス自動車工業)を立ち上げ、電気自動車の開発を開始。その第一号が「たま電気自動車」。
鉛酸バッテリーが使われた「たま電気自動車」は、カタログ値を超える最高速度35.2 km/h、航続距離96.3 kmを達成するなど、その高性能が注目を集め、950年までの間に約1,100台が生産された。

1992年:日産はソニーと共同で自動車用リチウムイオン電池の研究開発を開始
1996年:世界初のリチウムイオン電池搭載車「プレーリージョイEV」を販売


円筒型のリチウムイオン電池を搭載し、各種企業・団体などの法人向けに30台をリース販売最高速度は120km/h、一充電当たりの航続距離は200km以上と、実用性の高い性能を備えていました。

2000年:2人乗りの超小型電気自動車「ハイパーミニ」を販売

軽量で小型の高性能リチウムイオンバッテリーとネオジム磁石同期トラクションモーターを搭載し、最高速度は100 km/h、一充電あたりの航続距離は115kmと都市型シティコミューター。カーシェアリングを想定したICカードタイプのキーレスエントリーシステムを採用。

2010年:量産型の電気自動車「日産リーフ」を販売

日産は、電気自動車の環境性能・走り・使いやすさ・コストなどすべての面でユーザーの期待を超えたいと考え、「日産リーフ」を発売。2020年において、同モデルは日本、米国及び英国の工場で生産され、世界59の国や地域で販売され、グローバル累計販売台数は50万台に達している。

2014年:量産型商用車「e-NV200」を発売


日産は電気自動車の考えを小型商用車に展開し、2車種目の量産電気自動車「e-NV200」をヨーロッパと日本で発売。多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせ、「NV200」の特長である室内の広さや多用途性と、電気自動車ならではの加速性と静粛性を両立したとした。

2020年:クロスオーバーSUVの電気自動車「日産アリア」を発売

日産は、自社が培ってきた電気自動車のノウハウと最新技術を融合させたクロスオーバーSUV「日産 アリア」を発表。最大610kmの航続距離をもとに、「日産 アリア」が毎日の通勤通勤だけでなく、週末のドライブや娯楽にも最適なパートナーであるとしている。

2022年:新型軽の電気自動車「日産サクラ」を発売

100%電気で走るまったく新しい軽の電気自動車「日産サクラ」を発表。軽自動車独自の小回り性能に加え、「日産リーフ」の開発で培った技術を投入し電気自動車ならではの静粛性や力強くなめらかな加速を提供するとしている。


こうしてその開発の歴史を振り返ってみると、日産は電気自動車のパイオニアであることが分かると思います。世界初の電気自動車や現在の電気自動車のモデルとなるリチウムイオン電池搭載のモデルなど電気自動車の業界をけん引してきたことが分かると思います。また近年も、軽自動車タイプやSUVタイプの電気自動車を発表するなど、電気自動車のラインナップを強化することに積極的です。

参照:日産ストーリーズ


日産の電気自動車(EV)に関する概要


日産の電気自動車(EV)に関する考え方や特徴


日産は、最新の電気自動車アリアを発表した際、次の4つの点について強調しています。

・快適で意のままに走るドライビングパフォーマンス
・乗る人すべてにワクワクと快適な乗り心地を提供
・先進の運転支援技術によって、運転のストレスを低減
・先進のコネクテッド技術によって、シームレスな体験を提供


このようなキーワードを通して、日産は運転する人の快適な体験を重視して、ワクワク感がわくような、またストレスのない電気自動車を提供していくことを重視していることが伺えます。

日産の電気自動車(EV)のシェア

2022年の世界の電気自動車市場における日産のシェアは小さい状況です。日産はこれまで電気自動車におけるシェア上位に位置してきましたが、下記の2022年1~5月における電気自動車の売上ランキングでも示す通り、最近ではトップ20のランク外になっています。電気自動車市場では、専業の米テスラや、ディーゼル車の排ガス不正問題を機にEVにかじを切ったドイツのフォルクスワーゲン、中国の新興メーカーが目立っています。

参照:CleanTechnica


日産の電気自動車のシェアが少ない理由としては様々なことが考えられますが、まず米国、中国、欧州などの自動車メーカーが電気自動車の開発と販売に力をいれていることが挙げられます。また、日産がこれまで世界に先駆けて電気自動車を世に出してきた経緯を鑑みると、開発力とは異なる部分(世界的なブランディング、マーケティング、アドバタイズメント、そしてタイミング等)にその原因があるようにも思われます。

日産の電気自動車(EV)に関する目標

日産は2021年に、2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという目標をかかげました。そして、「Nissan Ambition 2030」を発表し、2030年度までに電気自動車15車種を含む23車種の新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大するとしています。そのために、今後5年間で2兆円の投資を行い、車両の電動化と技術革新をさらに加速させたい意向です。

上記のような目標の達成に向けて、2026年度までに電気自動車とe-POWER搭載車を合わせて20車種導入し、各主要市場における電動車の販売比率を以下のレベルまで向上させる狙いです。
・欧州: 75%以上
・日本: 55%以上
・中国: 40%以上
・米国: 2030年度までに40%以上(電気自動車のみ)

電気自動車普及の一つの鍵となるのが電池技術ですが、日産はリチウムイオン電池の技術をさらに進化させ、コバルトフリー技術を採用することで、2028年度までに1kWhあたりのコストを現在と比べ65%削減を目指しています。また、2028年度までに自社開発の全固体電池(ASSB)を搭載した電気自動車を市場投入することを目指し、2024年度までに同社の横浜工場内にパイロット生産ラインを導入する予定です。ASSBの採用により、様々なセグメントに電気自動車を投入することが可能となり、動力性能や走行性能も向上させることができるとされています。

日産は、需要の増加や電気自動車の台数の増加に対応し、グローバルな電池供給体制を確立していくと主張しています。パートナーと協力し、2026年度までにグローバルな電池生産能力を52GWh、2030年度までに130GWhへと引き上げる予定です。

さらに、電気自動車に関連する技術として、先進の運転支援技術や知能化技術をより多くのユーザーに提供し、その価値をより高めていくことを目指しているようです。

参照:日産ニュースルーム


日産の電気自動車(EV)の主なラインアップ


では、2022年における日産の電気自動車の主なラインナップを見ていきましょう。

日産の電気自動車(EV)の主なラインナップ1:日産リーフ


日産の代表的な電気自動車、「日産リーフ」は、2010年に発売されて以降、各国で人々の生活を支える電気的なモビリティとなっています。

最新のモデルでは、駆動用バッテリー容量を40kWhの場合に、400kmの航続距離を達成。また、バッテリー容量低下の抑制や耐久性の向上などにより、バッテリーの高寿命化を実現。これにより、バッテリー容量を「8年160,000km」保証しています。

主な仕様は以下のようになっています。
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車両価格:3,709,200 円~
走行距離:322 km
乗車定員:5
バッテリー容量:40 kWh
最高出力:110 kW
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また、2017年に発売された「日産リーフ」からe-Pedalも搭載しています。アクセルペダルの踏み加減を調整するだけで発進、加速はもとより、減速をコントロールすることが可能です。

リーフの世界の電気自動車のシェアは落ちているものの、日本の電気自動車の売上比率では現在もトップとなっています。また、各国で数々の賞を受賞しています。例えば、2019年にブラジルで発売を開始したリーフは、2021年に同国の有力自動車誌クアトロロダスで 'Best Purchase Among Electric Cars up to 300,000 Reais' を受賞しました。

参照:日産


日産の電気自動車(EV)の主なラインナップ2:日産アリア

2020年、日産は自社における初のクロスオーバーEV「日産アリア」を発表しています。



「日産 アリア」 e-4ORCE 65kWhバッテリー搭載モデルで、日産の最新の4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載し、前後に搭載したモーターと、4輪のブレーキを繊細にコントロールして快適な運転性能をもたらすとしています。

新開発されたモーターは高速巡行時の消費電力を低減し、一充電の航続距離が最大610kmを実現。また、最大130kWの急速充電に対応するとともに、バッテリーの温度を一定に保つ水冷式の温度調節システムを搭載し、30分の急速充電で最大375km分を充電することが可能としています。

主な仕様は以下のようになっています。
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車両価格:5,390,000 円~
走行距離:470 km
乗車定員:5
バッテリー容量:66 kWh
最高出力:160 kW
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「日産 アリア」は日産の先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や「プロパイロット リモート パーキング」を搭載しています。「プロパイロット2.0」は、日産の最新の運転支援技術です。車両に搭載した7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで、白線、標識、周辺車両を検知し、ナビゲーションシステムと3D高精度地図データを使用しています。ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じてハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフ走行を可能とし、安全でスムーズなドライビングを実現します。

参照:日産ニュースルーム


日産の電気自動車(EV)の主なラインナップ3:日産サクラ

日産の最新の電気自動車は、電気自動車初の軽自動車「日産サクラ」です。


軽自動車独自の小回り性能に加え、「日産リーフ」の開発で培った技術を投入した電気自動車の静粛性や力強くなめらかな加速を提供するとしています。

主な仕様は以下のようになっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
車両価格:2,399,100 円~
走行距離:180 km
乗車定員:5
バッテリー容量:20 kWh
最高出力:47 kW
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2022年の披露会で日産自動車副社長の星野 朝子は、「サクラは、リーフ、アリアに続く、量販乗用車モデルとなる電気自動車です。軽自動車市場に投入するこの電気自動車は、日本の自動車市場の常識を変えるゲームチェンジャーとなり、電気自動車の普及促進に弾みをつける存在になると確信しています。」と述べています。

最大195Nmのトルクを発揮するモーターと、高度な制御技術により実現したすばやくなめらかな加速を実現し、またモーターの構造を最適化することにより、軽自動車としては最高水準の静粛性を実現しています。ドライブモードは「Eco」「Standard」「Sport」の3つから選ぶことできます。

「日産サクラ」は、「日産リーフ」にも搭載している最先端のリチウムイオンバッテリーを搭載しています。搭載効率を高めるユニバーサルスタック構造により、広い室内空間を確保しながらも、最大180km(WLTCモード)と、日常生活に十分な航続距離を確保するとともに、高い信頼性を実現しているとされています。

日産の電気自動車(EV)に関するまとめ


ここまで、「日産の電気自動車(EV)!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説」と題して、日産の電気自動車に関して紹介してきました。改めて本記事の内容をこちらにまとめます。

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✔︎日産の電気自動車(EV)に関するまとめ

日産の電気自動車(EV)の歴史

日産は現在の電気自動車のモデルとなるリチウムイオン電池搭載のモデルなど電気自動車の業界をけん引してきた。近年も、軽自動車タイプやSUVタイプの電気自動車を発表するなど、電気自動車のラインナップを強化することに積極的。

日産の電気自動車(EV)に関する考え方

日産は運転する人の快適な体験を重視して、ワクワク感がますような、またストレスのない電気自動車を提供していくことを重視している。

日産の電気自動車(EV)のシェア

世界の電気自動車市場における、日産のシェアは縮小しており、2022年における市場シェアは小さい。

日産の電気自動車(EV)に関する目標

2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという目標。「Nissan Ambition 2030」を発表し、2030年度までに電気自動車15車種を含む23車種の新型電動車を投入予定。

日産の電気自動車(EV)の主なラインアップ(2022年)

日産の電気自動車(EV)の主なラインナップ1:日産リーフ
日産の電気自動車(EV)の主なラインナップ2:日産アリア
日産の電気自動車(EV)の主なラインナップ3:日産サクラ
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本記事が、日産の電気自動車に関する理解を深める手助けをできていたら嬉しいです。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
では、楽しいEVライフを!

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