こんにちは、EVライフです!
最近、次世代の車の本命として電気自動車(EV)が世界のあちこちで注目されるようになりました。各国の電気自動車に関する盛り上がりや期待の高まりを受けて、日本でも各社車メーカーが本格的に電気自動車の販売に力を入れています。電気自動車は走行時に排気ガスを出さず、再生エネルギーとの組み合わせによって化石燃料に依存することなく走行することができるため、持続的な社会の実現に向けて大きな鍵になるとされています。
そこで本記事では、ドイツの車メーカーフォルクスワーゲンの動向に着目し、「フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説」と題して、フォルクスワーゲンの電気自動車に関する動向を紹介していきたいと思います。
電気自動車の利用を検討している方の参考になれたら幸いです!
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)を見ていく前のおさらい
電気自動車(EV)とは?
はじめに、電気自動車について紹介します。電気自動車とは、車の中にある電池に電気を使って充電し、その電気を使ってモーターを回して走る車のことです。風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー(または自然エネルギー)から充電すると、究極のエコカーになるために、とても注目されています。
電気自動車(EV)のメカニズム
電気自動車のメカニズムは、電気を使って走ることです。
とても簡単な例に「ミニ四駆」があります。ミニ四駆は電池を使ってモーターを回し、走ることのできる車で、小学生でも作ることのできるとても簡単な仕組みで出来ています。実際の電気自動車の場合は、さまざまな制御があるためにもっと複雑なシステムになっていますが、本質的な部分だけを抜き出すと「電気を使ってモーターを回して走っている」という点になります。
関連記事:電気自動車(EV)とは?小学生でも分かる簡単な見分け方を紹介
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)の歴史
フォルクスワーゲンの電気自動車に関して、まずはフォルクスワーゲンにおける電気自動車の歴史を簡単に見ていきましょう。以下に重要なトピックに関する年表をまとめてみました。
✔︎フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)の歴史
1970年代初頭:原油価格の高騰と燃料不足を背景に、フォルクスワーゲンは代替パワートレインの研究に着手しました。ドイツのヴォルフスブルクにある未来研究センターで、11人のチームがフォルクスワーゲン初の全電気コンセプトカー「エレキトロバス」の動力源となるバッテリーシステムを開発しました。
1972年:電気バス/電気バン
当時生産されたバスは、約120台という短い生産台数でしたが、重くて容量の少ない鉛酸電池を搭載していました。現代のEVと同様、バッテリーパックは車体中央のフロアに配置され、その大きさと1,847kgの重量を考慮する必要がありました。しかし、現在とは異なり、航続距離はわずか40km、最高速度は時速69kmにとどまっていました。
1976年: エレクトリックゴルフMk1
一見、他のゴルフハッチバックと変わらないように見えますが、4気筒ガスエンジンの代わりに27馬力の電気モーターと4速マニュアルギアボックスが搭載されており。その航続距離は約50km程度でした。16.6Vの鉛蓄電池を220Wで充電するのに約6時間かかり、バッテリーパックは巨大だったため、ゴルフのリアシートを取り外す必要がありました。
1981年: ゴルフ I CitySTROMer
フォルクスワーゲンは、最初の電気自動車「ゴルフ」の経験をもとに、ドイツの公益事業者と協力して、このコンセプトをさらに発展させました。ゴルフCitySTROMerと呼ばれる合計約25台のプロトタイプ車両は、小規模生産の一部として製造されました。CitySTROMerは、4人乗りの日常使いに適した最初の電気自動車のひとつとされています。航続距離は約60kmで、充電の時間を入れて1日に約100km走行することができました。
1985年: ゴルフII CitySTROMer
Golf II CitySTROMerは、フォルクスワーゲンがドイツで量産し、最終的に一般販売するために製造した最初の電気自動車です。Golf II CitySTROMerの航続距離は先代モデルから50kmと先行モデルよりもわずかに減少しましたが、11.4kWhのエネルギーを持つゲル電解質電池を用いて、31馬力の電気モーターで最高速度100kmhを可能にしています。70台生産されたCitySTROMersは、主に電力会社の顧客サービス用として使用されました。
1988年: ジェッタ・シティストローマー(Jetta CitySTROMer)
初期のEVプロトタイプの多くは、古いバッテリー技術の限界の中で設計されていました。Jetta CitySTROMerは、従来の鉛電池の代わりにナトリウム-硫黄化学電池を使用し、新しい技術の初期の実験でした。重量は従来の半分で、航続距離は120km、最高速度は時速105kmと、当時としては驚異的な性能を発揮しましたが、この技術は量産には適さないことが判明しました。
2011年: フォルクスワーゲン NILS コンセプト
リチウムイオン電池の登場により、2011年のフランクフルトモーターショーで発表されたNILSコンセプトは、フォルクスワーゲン史上最も過激な車のひとつで、50年代の「バブル」車や一人乗りのレースカーをベースに、コミューターカーを未来的にアレンジしたものでした。5.3kWhのバッテリーパックによる航続距離は約65kmで、NILSは時速96kmまで約11秒で到達し、充電には約2時間かかりました。
2013年:e-ゴルフ
e-ゴルフは、フォルクスワーゲン初の純電気駆動の大量生産モデルであり、米国で発売された初の完全電気駆動のフォルクスワーゲンです。このクルマは、ベストセラーのコンパクトカーのすべての利点を兼ね備え、テールパイプからの排出ガスがゼロ、発売時のEPA推定航続距離は134km、実質的に無音のドライビング体験を提供しました。24.2kWhのリチウムイオン電池は、急速充電技術(CCS)により、20分程度で80%まで充電することができました。その後のモデルでは、よりエネルギー密度の高いバッテリーを採用することで、EPA推定航続距離201kmを実現しています。
2021年: フォルクスワーゲン ID.4 EV
フォルクスワーゲン初のオールエレクトリックSUVは、後輪駆動のProモデルのEPA推定航続距離418km、201馬力、DC急速充電能力、そしてEVライフスタイルをこれまで以上に簡単に導入できるようにする多くの機能・技術で登場しました。2022年のID.4では、後輪駆動のID.4 ProのEPA推定航続距離442kmとしました。また、回生ブレーキや先進のリチウムイオン電池、5人乗りの車など、ID.4は長年にわたってEV技術がどれほど進歩してきたかを示しています。
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関する概要
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関する考え方
フォルクスワーゲンは、自社サイトの中で電気自動車に関する考え方を次のように述べています。
フォルクスワーゲンでは、より包括的でオープンマインドなコミュニティを作りながら、より明るい持続可能な未来を築くことに、これまで以上に力を注いでいます。私たちは毎年、すべてのコミュニティをより安全で、よりスマートで、より楽しくするために積極的な役割を果たすことを目指しています。
カーボンニュートラルへの道では、1マイル1マイルが大切です。私たちは、再生可能エネルギーの使用を増やし、二酸化炭素排出量を削減することを約束します。ID.4 初年度に販売されたEVは、平均的なガソリン車と同じ割合で走行した場合と比較して、推定4万メートルトンの直接炭素排出を回避しています。1 これは、米国の森林約47,000エーカーから1年間に吸収される炭素量に相当します。
こうしたメッセージから、フォルクスワーゲンは、コミュニティをより安全で、よりスマートで、より楽しくするために積極的な役割を果たすことを目指し、電気自動車と再生可能エネルギーの使用を増やし、二酸化炭素排出量を削減してカーボンニュートラルへ貢献することにコミットメントしていることがわかります。
参照:フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)のシェア
世界の電気自動車市場における、フォルクスワーゲンのシェアは第5位です。下は2022年第一四半期の世界における電気自動車の売上ランキングを示していますが、フォルクスワーゲンは、専業の米テスラや、中国の新興メーカーに続いて、確かなシェアを有していることがわかります。これは、ディーゼル車の排ガス不正問題を機に電気自動車にかじを切った判断も影響しているとされています。
参照:INSIDEEVs
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関する目標
フォルクスワーゲンは2021年のインタビューにて、「2030年までに、モビリティの世界は大きく、かなり、これまで以上の変化が訪れるだろう」と述べており、2021年から2025年の間に、730億ユーロ(864億ドル)を未来技術の開発に充当しています。これは同社の投資総額の50%を占めています。
2023年にフォルクスワーゲンは、2030 年までに欧州における EV 販売目標を修正することを発表しました。この目標は、フォルクスワーゲングループの2021年の電動化戦略「アクセラレート」に基づくもので、フォルクスワーゲンの乗用車に特化し、EV普及のペースを加速させるものです。
フォルクスワーゲンは、世界中を対象としたEV販売台数を指標として、2030年までに欧州で全販売台数の70%を完全電動化し、米国と中国では50%を電動化するという意図を共有しています。
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)の主なラインアップ
では、フォルクスワーゲンの電気自動車の主なラインナップを見ていきましょう。
フォルクスワーゲンの電気自動車のラインナップ:ID.4
フォルクスワーゲンは、同社初の完全電気自動車SUV「ID.4」を日本で展開しています。新型SUV「ID.4」は、MEB(Modular Electric Drive Matrix)アーキテクチャにより、スポーティで快適な走りと、広い室内空間、長い航続距離を実現しています。このアーキテクチャは、コンパクトカーからSUV、ミニバンまで柔軟な車両設計を可能にし、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に、電気自動車をより身近な存在にすることを目指しています。ID.4は、「ID.4 Lite Launch Edition」と「ID.4 Pro Launch Edition」の2グレードがあり、日本国内のフォルクスワーゲン正規販売店全246店舗で販売されています。
ID.4の「ローンチエディション」には、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンの3ブランドによる独自の充電ネットワーク「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」の年会費と、フォルクスワーゲン販売店での月60分の充電を1年間無料で利用することができます。また、自宅に普通充電器を設置する際の10万円の補助金や、購入価格保証型残価設定ローン「Volkswagen Solutions」という特別な残価設定ローンも用意されています。
主な仕様は以下のようになっています。
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グレード:Lite / Pro
車両価格:4,999,000 円 / 6,365,000 円
走行距離:435 km / 618 km
乗車定員:5名
バッテリー容量:52 kWh / 77 kWh
最大出力:125 kW / 150 kW
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参照:フォルクスワーゲン
関連記事:【EV一覧】フォルクスワーゲンの電気自動車の全ラインナップを超絶比較!
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関するまとめ
ここまで、「フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説」と題して、フォルクスワーゲンの電気自動車に関して紹介してきました。改めて本記事の内容をこちらにまとめます。
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✔︎フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関するまとめ
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)の歴史
1976年: エレクトリックゴルフMk1を開発。その航続距離は約50km程度で、16.6Vの鉛蓄電池を220Wで充電するのに約6時間。
2013年:e-ゴルフを発売。フォルクスワーゲン初の純電気駆動の大量生産モデルであり、発売時のEPA推定航続距離は134km。
2021年: フォルクスワーゲン ID.4 EVを発売。フォルクスワーゲン初のオールエレクトリックSUVは、EPA推定航続距離418km、201馬力、DC急速充電能力搭載。
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関する考え方
フォルクスワーゲンは、コミュニティをより安全で、よりスマートで、より楽しくするために積極的な役割を果たすことを目指し、電気自動車と再生可能エネルギーの使用を増やし、二酸化炭素排出量を削減してカーボンニュートラルへ貢献することを目指している。
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)のシェア
世界の電気自動車市場における、フォルクスワーゲンのシェアは第5位。
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)に関する目標
2030年までに欧州で全販売台数の70%を完全電動化し、米国と中国では50%を電動化することを目指す。
2021年から2025年の間に、730億ユーロ(864億ドル)を未来技術の開発に充当。
フォルクスワーゲンの電気自動車(EV)の主なラインアップ
フォルクスワーゲンの電気自動車のラインナップ:ID.4
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本記事が、フォルクスワーゲンの電気自動車に関する理解を深める手助けをできていたら嬉しいです。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
では、楽しいEVライフを!