こんにちは、EVライフの編集部です。
「電気自動車(EV)の購入を考えているけど、EVの電気代ってどれくらいかかるんだろう?」
「今までの自宅の電気代が、EVの電気代の上乗せでどれくらい変わるんだろう?」
こんな疑問に答えます。
なお、電気自動車(EV)の電気代は、充電にかかる費用になります。ガソリン車と電気自動車の燃料費の違いを知りたい方は次の記事をご覧ください。
関連記事:電気自動車(EV)の充電料金 vs ガソリン車の燃料費
一方、公道(パブリック)で充電する場合は、電気代というよりは「充電費」と認識される場合があり、電気代というと「自宅」で充電した際の、電気代金の変化を見る方が多いです。そのため本記事では「自宅で電気自動車(EV)を充電する際の電気代の変化」に注目して紹介します。
本記事は「【知りたい】電気自動車(EV)の電気代と節約方法」について紹介します。
電気自動車(EV)の電気代
電気自動車(EV)の電気代について紹介します。
電気自動車(EV)の電気代の相場
電気自動車(EV)の電気代の相場は、1ヶ月あたりでおよそ3000円弱になります。詳しく紹介していきます。
電気自動車(EV)の基本スペック
今回は電気自動車(EV)の中でも知名度の高い日産のリーフXを用いて計算していきます。
日産のリーフの場合、電気代を計算するのに必要な情報のスペックとは次のようになります。
・電気容量:40kWh
・WLTC:322km(充電100%あたりの航続距離)
つまり、電気1kWhあたりで約8kmを走ることができます。これは移動距離単価としては、とてもお得な値段感になります。下は各種移動手段のお「100kmあたりの移動費の比較」になります。
●100kmあたりの移動費
・ガソリン車平均:約667円
・電気自動車平均:約345円
・燃料電池車平均:約950円
・JR電車運賃平均:約1610円(東京区間)
・リーフ X:約311円
ご覧のとおり、リーフXの移動費用は、その他のガソリン車、燃料電池車(FCV)、電車等と比べると安価で、EVの電気代は他のモビリティ手段と比べると一際お得なことが分かります。
電気自動車(EV)の充電料金
ここで、世の中一般の車の利用について紹介します。
一般的な乗用利用の場合、年間で約1万km走ることが知られていて、保険料の適用などでも年間の走行距離が9000km, 11000kmなどが基準になっている場合が多くあります。
そこで年間の走行距離を9000km、11000kmのそれぞれの場合における電気代を見積もっていきます。なお、電気代は一律で1kWhあたり25円で計算します。
■走行距離が9.000kmの場合
必要な電気量 = 9000 / 8 = 1125 kWh
電気代 = 28,125円/年間
■走行距離が11,000kmの場合
必要な電気量 = 11000 / 8 = 1375 kWh
電気代 = 34,375円/年間
つまり、一般的な年間の走行距離の範囲である9000〜11000kmの場合、電気自動車(EV)の電気代は年間およそ28,000円〜34,000円ほどになります。
これを1ヶ月あたりに換算すると、電気自動車(EV)の電気代は月およそ2,300円〜2,800円ほどになります。
電気自動車(EV)の電気代とガソリン代の比較
電気自動車(EV)の電気代とガソリン代を比べると、どちらがお得なのでしょうか?
結論からいうと、割高な充電スポットを使うことを除き、EV充電代の方がガソリン代よりお得になるケースが多いです。詳細を紹介していきます。
距離あたりの走行費用
EVの充電代とガソリン車の給油代では、電気とガソリンで燃料の種類が違うので、容量単価(電気ならKwh単価、ガソリンならL単価)で比べても、実質的にかかる「燃料費」を比べることができません。そこで考えるべきは「距離あたりの走行費用」になります。
距離あたりの走行費用とは、読んで字の如し、ある距離を走る時にかかる費用のことをいいます。この数値を使うことで、一定の距離を走る時の「EVの充電代」と「ガソリン車のガソリン代」を横ならびに比べることができます。
下では、ある程度の距離の費用を考えるために「100km」を走行する場合のEVの充電代とガソリン車のガソリン代を比べていきます。
電気自動車(EV)の走行費用(電気代)
電気自動車(EV)の100kmの電気代を計算するにあたり、参考にするには上でも取り上げた日産リーフXの性能を参考にします。
日産リーフはバッテリー40kWhで322kmのWLTC走行距離であるため、100kmあたりの使用電力量は「約12.4kWh」になります。
ここで、普通充電・急速充電の電力単価の相場を用いて計算すると、100kmあたりのEVの充電代は次のようになります。
✔︎100kmあたりの電気自動車(EV)の電気代
安めの普通充電:186円
標準の普通充電:310円
安めの急速充電:223円
標準の急速充電:774円
*電力単価は、普通充電の安めで15円/kWh、標準で25円/kWh、急速充電の安めで18円/kWh、標準で60円/kWhで計算しています。
ガソリン車の走行費用(ガソリン代)
一方、ガソリン車について、一般のガオリン車の平均燃費は22.5km/L(参照:一般社団法人 日本自動車工業会)という情報があります。そのため、100km走るには、約4.4Lのガソリンが必要になるので、100kmあたりのガソリン代は次のようになります。
✔︎100kmあたりのガソリン車のガソリン代
一般的なガソリン:640円
*ガソリン価格を144円/Lで計算しています。
EVの電気代とガソリン車のガソリン代の比較
以上のことから、100kmの走行費用として比べると、電気自動車(EV)の電気代は普通充電で安くて186円、標準で310円、急速充電で安くて223円、標準で774円、ガソリン車のガソリン代では640円になります。
つまり、普通充電ならいずれの場合も電気自動車(EV)の電気代はガソリン車のガソリン代より2倍以上お得になります。一方で、急速充電の場合、EV充電代は安いスポットを利用すればガソリン車のガソリン代より安くなりますが、充電スポットによっては高くなる可能性もあります。
電気自動車(EV)の電気代の具体例(トヨタ・日産・ヒョンデ・BYD・テスラ)
では電気自動車の電気代は、実際にどれくらいかかるのでしょうか。具体的なメーカー、車種ごとに紹介していきます。
なお、諸条件は、走行距離は一般的な年間110,000kmとし、電気代の算出として普通充電で25円/kWhを用いて計算しています。参考までに2022年に最も燃費の高いとして知られるトヨタのヤリス(燃費36km/L)において、ガソリン単価150円/Lで年間走行距離110,000kmとした場合、年間のガソリン代は45,833円になります。
トヨタの電気自動車の電気代
トヨタのbz4Xの電気代
トヨタの電気自動車bz4Xの電気代は年間35,125円です。
bz4XはSUVタイプの電気自動車で、航続距離が長く、長距離のドライブや家族旅行にも対応できるEVです。
参照:トヨタbz4Xの充電情報
日産の電気自動車の電気代
日産のリーフXの電気代
日産の電気自動車リーフXの電気代は年間34,161円です。
リーフはハッチバック型の電気自動車で、家族との普段使いに向いています。
参照:日産リーフXの充電情報
日産のサクラXの電気代
日産の電気自動車サクラXの電気代は年間30,556円です。
サクラは軽の電気自動車で、街中や市区町村内の移動や片道数十km程度の移動に向いています。
参照:日産サクラXの充電情報
日産のアリアB6の電気代
日産の電気自動車アリアB6の電気代は年間38,617円です。
アリアはSUVの電気自動車で、長距離のドライブにも対応できる力強い電気自動車(EV)です。
参照:日産アリアB6の充電情報
テスラの電気自動車の電気代
テスラのモデル3RWDの電気代
テスラの電気自動車モデル3RWDの電気代は年間29,204円です。
モデル3はセダンの電気自動車で、スタイリッシュでクールな印象の電気自動車(EV)です。
参照:テスラモデル3の充電情報
テスラのモデルXの電気代
テスラの電気自動車モデルXの電気代は年間49,107円です。
モデルXはSUVの電気自動車で、航続距離が560kmと長く、力強い走りを特徴とする電気自動車(EV)です。
参照:テスラモデルXの充電情報
テスラのモデルYの電気代
テスラの電気自動車モデルYの電気代は年間40,680円です。
モデルYはSUVの電気自動車で、広い車内を特徴とし、長距離・家族連れでのドライブなどにも対応できる電気自動車(EV)です。
参照:テスラモデルYの充電情報
テスラのモデルSの電気代
テスラの電気自動車モデルSの電気代は年間42,178円です。
モデルSはセダンの電気自動車で、スタイリッシュでクールな印象の電気自動車(EV)です。
参照:テスラモデルSの充電情報
ヒョンデの電気自動車の電気代
ヒョンデのIONIQ5の電気代
ヒョンデの電気自動車IONIQ5の電気代は年間32,028円です。
IONIQ5はSUVの電気自動車(EV)で、航続距離が498kmと長く、世界から注目を集める韓国メーカーのEVです。
参照:ヒョンデIONIQ5の充電情報
BYDの電気自動車の電気代
BYDのATTO3の電気代
BYDの電気自動車ATTO3の電気代は年間33,204円です。
ATTO3はSUVの電気自動車(EV)で、広々とした空間と、次世代環境カーで世界最大の売り上げ台数を誇るEV国中国のメーカーのEVです。
参照:BYD ATTO3の充電情報
BYDのe6の電気代
BYDの電気自動車e6の電気代は年間47,284円です。
e6はハッチバックタイプの電気自動車(EV)で、スリムなボディとお手頃な価格も魅力的な中国メーカーのEVです。
参照:BYD e6の充電情報
電気自動車(EV)の電気代の請求のされ方
次にEVの電気代の請求のされ方について紹介しますが、基本的には電気自動車(EV)の電気代は自宅の電気代に合算されます。
自宅で充電するには、大きく分けて2種類の充電器が使われますのでそれぞれについて紹介します。なお、自宅充電の2種類の充電器の詳細は次の記事をご覧ください。
参照:2022年版!自宅・家庭用の電気自動車(EV)の充電器の総まとめ【電圧・充電時間・費用】
✔︎自宅充電の2つの充電方法
①100V充電器の場合
②200V充電器の場合
①100V充電器の場合
100Vのコンセントにおける充電においては、ほとんどの場合、自宅に備え付けられていいる3Pコンセント(穴が3つあるコンセント)に充電ケーブルをさして充電することができます。
自宅のコンセントにさして電気を充電するため、自宅の主要ブレーカーに使用された電気量は加算されていきます。そのため、電気自動車(EV)に使われた電気代は、そのまま自宅の電気代に合算される形で請求されます。
②200V充電器の場合
200V充電器の場合、多くの家庭では個別の電気工事が必要になり、電気工事の仕方によって、電気量の測定方法が異なる場合があります。
一方で、ほとんどの場合は次のように、メインのスマートメーター(自宅で使用した電力量を測るための機器)は1つで、そこに並列して「自宅用ブレーカー」と「電気自動車(EV)充電用のブレーカー」に分岐させる方法がとられます。そのため、使用した電気量は自宅・電気自動車(EV)の区別なく、1つのスマートメーター内で積算されて、電気代が請求されます。
参照:あんしん電気さかい
電気自動車(EV)の電気代の下げる方法(節約する方法)
それでは電気自動車(EV)の電気代を下げる・節約するための方法を紹介していきます。星の数は節約効果を示します。
✔︎電気自動車(EV)の電気代を下げる方法
①安い電気プランを選ぶ!★★
②安い時間帯に充電する!★★
③無料充電を活用する! ★★★
EVの電気代を下げる方法①:安い電気プランを選ぶ!
電気自動車(EV)の電気代を下げる方法の1つは「安い電気プランを選ぶこと」です。
電気の単価は、提供する電力会社によって大きく異なります。時間帯別の電気単価も込みで考えると、1kWhあたり17円〜35円と、実に2倍ほどの差がつくこともザラではありません。
各種の会社の電気代を分かりやすく比較し、シミュレーションしてくれるサイトの1つに「エネチェンジ」がありますので、ぜひ単価を見比べ、安めのプランを選んでおくことが電気自動車(EV)の電気代を下げる上で大切です。
EV限定の特別オプションを提供していたり、各種の電気プランを比較できる優良サービスを次の記事の紹介しているので是非ご参考ください。
関連記事:EV購入後!電気自動車のおすすめ電気料金プラン!
EVの電気代を下げる方法②:安い時間帯に充電!
電気自動車(EV)の電気代を下げる方法の2つ目は「電気代の安い時間帯に充電すること」です。
各社の電気プランによって、電気の単価はさまざまですが、その中でも「時間帯別の電気プラン」を提供している会社が各種あります。
例えば、シン・エナジーが提供する「【夜】生活フィットプラン」では、電気代が、日中は高くなりますが、深夜はとても値段が下がる、ライフスタイルに合わせて電気単価が変わる仕組みのプランを用意しています。
具体的には次のような料金設定になっています。
整理すると1kWhあたり、次のような料金単価になります(関東管内。22年10月現在)。
・9時〜18時:33.05円
・8時〜9時および18時〜22時:26.09円
・22時〜8時:17.98円
参照:シンエナジー
そのため、夜の時間を活用して充電することができると、EVの電気代を下げて、お得に充電することができます。
参考までに、上で紹介した電気自動車(EV)の電気代の相場では「一律25円」の電気代で計算した費用を紹介しましたが、例えばシンエナジーさんの「【夜】生活フィットプラン」で深夜のみの充電した場合は、電気自動車(EV)の電気代は次のようになります。
✔︎電気自動車(EV)の電気代の月額
一律25円の場合:2,300円〜2,800円
→【夜】生活フィットプラン:1,660円〜2,020円
とてもお得です。月の車の燃料費を2000円以下に抑えることのできる、とても魅力的なプランです。
「たとえ家の駐車場でも、深夜にわざわざ充電しに行くのは面倒なんだけど、、、」
という方に耳寄りな情報として、電気自動車(EV)の充電のタイマー機能があります。
電気自動車(EV)の種類の中には、充電する時間を設定することができる車もあり(例えば日産リリーフと該当する機能を持っています)、充電器をさしておくと、自動で所定の時間に充電をすることができ、面倒さを軽減することができます。
当機能なども活用しながら、ぜひお得な時間帯に充電をするようにセッティングしましょう。
EVの電気代を下げる方法③:無料充電を活用!
電気自動車(EV)の電気代を下げる方法の3つ目は「無料充電を活用すること」です。
無料充電活用は「最強」な節約方法です。
昨今は、電気自動車(EV)の普及や客寄せのため、公的機関(市役所)やショッピングモールの各所に「無料」で電気自動車(EV)の充電を行える充電スタンドが設置されている場合があります。
言葉のとおり、電気自動車(EV)を無料で充電できるためにEVの電気代は0円になります。電気自動車(EV)の電気代を抑えたい場合は、ぜひ活用したいサービスになります。
電気自動車(EV)の無料充電スタンドの検索の仕方を次の記事で紹介していますのでご参照ください。
関連記事:いくらお得?電気自動車(EV)の充電料金 vs ガソリン車の燃料費
なお、編集部の私の自宅の車で3分圏内には無料の急速充電スタンドと無料の普通充電スタンドの両方があり、充電の第一選択を無料充電の活用にしています。
そのため、電気自動車(EV)に乗り始めてから半年ほど経ちますが、半年間での電気自動車(EV)の燃料費(電気代)の総額は、たったの1500円ほどです(出先の高速で少し充電したのと、突発的に自宅で充電した時の費用のみ。他は全て無料充電を活用しています)。
無料の充電サービスはいつまで続くかは明らかではありませんが、使うに越したことはありません。電気自動車(EV)の電気代をさげたい場合はぜひ活用していきましょう。
まとめ:電気自動車(EV)の電気代を知って、EVをもっと身近に!
本記事は「【知りたい】電気自動車(EV)の電気代と節約方法」について紹介しました。
改めて本記事の要点をまとめます。
・電気自動車(EV)の電気代の相場は月あたり2,300〜2,800円。
・電気自動車(EV)の電気代は住宅の電気代と一括で請求される
・電気自動車(EV)の電気代を下げるには、安い電気プランを選び、電気代の安い時間帯に充電し、究極には無料の充電スタンドを使うことがおすすめです。
電気自動車(EV)は新しい車であり、慣れたガソリン車と比べると使い方や緊急時の対応など不安に感じる点もあるかと思いますが、当記事の内容があなたのEV検討の一助になれていたら幸いです。
読んで下さりありがとうございました。
それでは、良いEVライフを!